てぃえりあと遊ぼう♪
「あちゃ〜、やっぱり無理かぁ」
アレルヤが休憩室に入ると聞こえたのはリヒテンダールの声。
「どうしたんだい?」
リヒテンダールは手元にある端末を恨めしそうに見て、アレルヤへと目を向ける。
「これ、クリスに貰った育成ゲーム?なんだけど、全然できなくて…」
言われてディスプレイを覗いたアレルヤは、眉根を寄せた。
「これって…」
そこに映っているのは二・五頭身くらいにデフォルメされているとはいえ、間違いなくティエリア。
おまけに白い猫の耳と尻尾がついているのだ。
つんとしている姿はまさしく─いや、血統書付きの猫。
さらに幾つかの表情が並んでいる。
【ツンツンてぃえりあ】
・ノーマル状態。
素直に返事はしませんが元気です。
ヘタに刺激すると怒り出します。無視されると思って下さい。
【しょんぼりてぃえりあ】
・落ち込んでます。
何かしませんでしたか?
本当は淋しがり屋なのです。
放ったままにしていると、シクシクてぃえりあになってしまいますよ。
どこかで一人で泣いていますから、捜して慰めてあげて下さい。
【ほんのりてぃえりあ】
・ちょっぴり笑顔を見せてくれました。
少しあなたを認めてきています。
しっかりお話をするチャンス。
【とろりんてぃえりあ】
・これはレア中のレア。
やっと、てぃえりあはあなたを受け入れてくれました。
抱っこしても大丈夫です。
しかし、ここまでくるには、相当の覚悟が必要です。
頑張って下さい。
「……」
「『意外性がある方が楽しいでしょ?カワイイし』って、言われて…」
それは、まあ確かに。意外性は大ありで、可愛い。
が、しかし、しかしだ。
「もし、見つかったら…─って、ティ、ティエリア!」
時すでに遅し。
いつの間に来たのか、すぐ後ろにティエリアが立っている。
「──」
無表情が却って怖い。
「あ、あの、これは単なる遊び、いや、冗談て言いますか、その…」
リヒテンダールの顔に血の気はない。
「そ、そうだよ、ティエリア」
「──」
どんな嫌みや皮肉を言われるかと、ビクついていたのだけれど。
─あれ?─
無言のまま、ティエリアは二人に背を向け、数歩離れた。
もしかして、あまりに阿呆らしくて無視されただけかと、わずかに気を抜いた時。
くるりと振り返ったティエリアの手には銃があった。
─え?─
「──目標を破砕する」
「わっ、ちょ─」
BOOM!!
「わああっ!」
端末はコナゴナに砕け散った。
─補足 【ツンツンてぃえりあ】に冗談は通じません──
終
後書き
ちっちゃい猫てぃえりあが浮かんだので書いてみました♪
ただ、トレミーの中とかリヒティがゲームをするのかとかは、よく分かりませんが(苦笑)
080314