コミュニケーション―(2) 気分転換



「こんなの僕は初めて着ましたよ」
「ああ、俺も。少し歩きにくそうだがな」
「確かに」
「──」

興味深そうに話すアレルヤとロックオンの傍に、不機嫌な表情をした者が約一名。

「なんて顔してるんだよ、ティエリア。せっかく綺麗な着物、着てるのに」
「何なのですか?これは」
「振袖ってヤツだろ?」
「訊いているのは、何故、俺だけ女性用なのかと言うことだ…!」
ティエリアが着ているのは艶やかな古典柄の振袖で、ロックオンとアレルヤは羽織袴なのである。

「似合うから」

あっさりきっぱり。

「ロックオン・ストラトス…」
「なんだ、おまえ、そんなに俺達の女装みたいの?」

─だから、どうして僕まで巻き込むんですか、ロックオン─

「──遠慮させてもらう…」


衣服を変えてみるのも気分転換の一つである─はずである。

(あれ?刹那は?)





080325