分からないものが多すぎて
探すものが増えすぎて
そればかりを追っていると、いつも貴方の声がする。
『いいから少し休めよ』
『のんびりするのもたまにはいいさ』
『その方がいい考えが閃くもんだ』
宥めるように
ときには優しく ときには叱って
向けられる瞳と声に
僕は深く安堵する。
その度に僕は
想いを新たに
前を向くことができた。
貴方の想いが溶け込んでくる
貴方の温もりが僕を支えている
気付かないうちに僕は――
『休めるときには休む』
『ちゃんと起こしてやるよ』
『心配するな、傍にいるから』
そう言っていたのに――
今は
言われなくても休んでいる
今は
瞳を閉じると貴方がいるから
貴方に触れることも
貴方が抱きしめてくれることも
瞳を閉じなければできないから
今はただ
眠らせていて
もう 少しだけ
〜貴方へ〜2010/10/05